【映画】『ヒアアフター』 新作映画批評 ネタバレあり “死”を多重構造の物語で描くスピリチュアル映画

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Hereafter

映画界の偉大なる4番打者クリント・イーストウッド監督の最新作『ヒアアフター』を観てきました。字幕では“ヒアアフター来世”と訳されていました。誰もが一度は考える人は死んだらどうなるの?!っていう究極のテーマにスピルバーグ×イーストウッドが挑んだ本作。

NYFF: Director Clint Eastwood at HEREAFTER Press Conference

大きく3つにわかれた物語が最後に絡み合い、奇跡と癒しに向かうラストシーン。結論から言うと僕は好きな部類の作品でした。多重構造的な物語ですが時間軸はさほど前後させていないので、複雑怪奇な物語ではなく、それぞれのエピソードが簡潔にまとめられており、観ていて混乱することはない。台湾人の妻 汐月瑠沙もほとんど理解できたと言っていたので、これからも観に行く人も参考にしてください。また、“続きを読む”からは物語に関して、段階を追いながら決定的なネタバレもあるため、ぜひ映画館に足を運んでから読んでください。テーマがテーマだけに、僕が観た映画館が異常に寒かったのが別の意味で恐かった。忘れがたい貴重な映画体験になった。

あらすじ(ウィキペディアより)

フランスの女性ジャーナリストのマリー(セシル・ドゥ・フランス)は、津波にのまれた時に臨死体験を経験。その時に見た不思議な光景を忘れることができない。イギリスの少年マーカスは愛する双子の兄を亡くしてしまった悲しみから立ち直れず、兄と再会することを望んでいる。アメリカ人ジョージ(マット・デイモン)は、かつて霊能者として知られた人物だが、次第に自らの才能を嫌悪、その才能は用いずに生きている。「いったいどうしてこの自分にだけ死者の声が聞こえるのだ?」

死という謎にとりつかれたこの3人が、ある日ロンドンで何かに導かれるように出会い、人生がからみあってゆく。3人は一体何を見つけるのだろうか…




映画『ヒアアフター』、上映時間129分のアメリカ映画。監督はクリント・イーストウッド、製作総指揮にスティーウン・スピルバーグ、脚本はピーター・モーガン。主演はイーストウッドの前作『インビクタス/負けざる者たち』でも主演を務めたマット・デイモン。

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誰もが言いますが、物語冒頭インドネシアで起こった巨大津波が街や人を呑み込んでいく映像は大スペクタクル。スピルバーグ印らしく、波にのまれ押し流され、自然災害に抗うことのできないまま臨死体験することになるフランスの女性ジャーナリスト マリー。静から動へ、日常から非日常への有無を言わせぬ場面展開や見せ方はさすがに巧い。ただし、一番の映像的な盛り上がりのピークはココで終了。ダイナミックな映像を期待していた人は全体を見終えた後で肩透かしを感じるかも。あとは淡々とした心理描写が中心となるので、正直僕も観終わった後もう少し上映時間短くてもよくね?と思った。

物語は臨死体験したフランスの女性ジャーナリスト マリーから始まり、アメリカ サンフランシスコで霊が見える才能に苦悩するマット・デイモン演じるジョージ、そしてイギリスに住み双子の兄ジェイソンを交通事故で亡くしたマーカスの三者三様のエピソードを交互に展開することで重層的な物語を展開。国も違い、生きている環境も違う“死”に囚われた繋がるはずのない3つの物語が、最後にひとつの“癒し”と“奇跡”で繋がっていく様が圧巻。

“死”を扱っていながら宗教観などは排除され、所々ユーモアも盛り込まれている。ジョージが料理学校に通うエピソードは楽しい。目隠しをして口を半開きにしたパートナー メラニーにテイスティングする場面は男女の関係を想起させエロティックだ。最大の見せ場は僕の理解が足りないのかいまひとつ。ジョージが霊と交信しメラニーが部屋を出て号泣する一連の場面がいまひとつ説明不足。父親との過去が関係しているのは理解できるが、それがいったい何なのか、映画では細かく説明してくれないから。すべてを知ってしまったジョージとは、コレが発端で破局。ただ料理長との会話がオチになっていて構成は素晴らしい。マット・デイモンの演技が良いだけに惜しまれる。

逆にジェイソン、マーカスの双子エピソードが一番わかりやすくてよかった。マーカスは薬物中毒の母親から離された寂しさもあり、死んでしまった兄と話がしたいとスピリチュアルをビジネスにする名の知れた輩を訪ね歩くが、彼らは死者に囚われた人を食いものにする嘘つきばかり。マーカス君には悪いがあまりにバカげたセミナーなどあり、笑ってしまった。またジェイソンの遺品である薄汚れた帽子が果たす役割が僕は気にいった。あとから考えればテレビドラマや小説でありがちなエピソードだが、物語の中で重要なカギを握っており、ロンドンでの列車爆破テロから弟を救うエピソードに繋がる展開は予想だにしていなかったので、座席の上で爆破の音にびくっと体を震わせた。

問題はラストシーン。観た人により解釈が分かれるところだと思うが、僕の意見では、ジョージはマリーが自分の苦悩を理解してくれる運命の人だと感じ、キスする(愛し合う)ヴィジョンを観たのではないか、と思った。一目ぼれみたいなもので、死者の呪縛から解放しあう仲になるから、最後握手してもなにも起こらなかったのでは?!と考えた。深読みしすぎかな。。。でも、いい映画です。すい臓がんを抱えて生きる父親がいるので、僕も“死”を身近に感じていてすごく共感するものがあった。おすすめ。

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コメント
この記事へのコメント
僕なりの評なので、不快に感じたら申し訳ない。昔だったらそれなりに色々な情報を入れてから書いたり整理したりできるが、最近は不況の影響で本業が忙しく更新頻度も落ちているので、時間が取れたら書くスタイルになっていて大反省。確かに指摘の通り、まとまりを欠いた文面だと思います。Yoshiさんからいただいたご意見を元に、充実した文面が書けるよう努力していきます。
2011/02/20(日) 20:13 | URL | 汐月歩夢 #o21JG7fc[ 編集]
よく映画“批評”を自称できますね

さんざん映画を観てさえいたらわかるような,状況説明を続けるばかり.ようやく自分の声で評するかと思えば
-僕の理解が足りないのか
-観た人により解釈が分かれるところだと思うが
といったくだらないエクスキューズばかり.

まあ,“問題の”シーンをどこにしようともそれは個々人の自由ですけど,あそこを選ぶなんてセンスを疑います.数をこなすような映画の観かたはされてないんでしょうね.

私なら問題というか,映画の中でのキーとなるシーンをあげるなら,やはる後半の子供への霊視シーンですけどね.物語中唯一の嘘が生じてるんですが,目に観えるような悪く言えば有りきたりのシーンを大仰に拾っといて,あそこを無視するのはいかがなものかと.

上映時間の長さを指摘しつつ,後半の展開について圧巻・・・?全く一貫性が感じられません.どっちなんですか?

あと,「スピルバーグ印の」という表現は水道橋博士氏のtwitter上での発言の引用でしょうか?貴blogと博士氏との影響力を考えたら,そういった考慮,リサーチも必要じゃないでしょうか
2011/02/20(日) 19:28 | URL | yoshi #-[ 編集]
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