【映画】『おおかみこどもの雨と雪』 新作映画批評 ネタバレあり 斬新な切り口で描く狼親子愛

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おおかみこどもの雨と雪

地震、原発に始まり、年金支給年齢は上がり、景気はどん底。若い夫婦が子供を産もうと思っても、生活が苦しくなる一方の世の中では子育てもままならないのが本音だろう。そんなときに出会う映画として最適かも知れないのがアニメーション映画『おおかみこどもの雨と雪』である。僕は、細田監督が手掛けた前作『サマーウォーズ』を観てはいるが、世間の評価ほど面白く感じたわけでなかったので、今作も予告編程度の知識で足を運び観賞した。



結果から言うと、想像をはるかに超えた完成度で、嬉しい誤算。劇場アニメーションとしても久しぶりに心が乱される、ざわざわとした映画だった。笑い、泣き、面白いという多重構造的な大衆娯楽映画として、年齢や性別が違えば観賞後に抱く感想も変わってくると思うし、オタクや子供ももちろん楽しめると思うが、結婚を前提としたカップルや子供を産むのに自信がない夫婦にこそ観てほしい映画と感じた。僕ら夫婦もまだ子供がいないが、子供がいたらまた別の人生があるんだろうな、と思わせてくれただけで、すばらしい。

劇場公開映画「おおかみこどもの雨と雪」オリジナル・サウンドトラック劇場公開映画「おおかみこどもの雨と雪」オリジナル・サウンドトラック
(2012/07/18)
高木正勝

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あらすじ(フライヤーより)

ある日、大学生の花は、人間の姿で暮らす“おおかみおとこ”に恋をした。
ほどなく、ふたりは愛しあい、ふたつの新しい命を授かった。
雪の日に生まれた<<雪>>、
雨の日に生まれた生まれた弟は<<雨>>と名付けられた。

そんな小さなふたりには、大きなヒミツがあった。
人間とおおかみのふたつの顔を持つ<<おおかみこども>>として生を受けたのだ。
雪と雨が<<おおかみこども>>であることを隠しながら、
家族4人は都会の片隅でひっそりと暮らしていた。

つつましくも幸せな日々。
永遠に続くと思われた日々は、しかし突然に奪われる。
父である“おおかみおとこ”の死によって。

取り残された、花と雪と雨の三人。
幼いふたりの子供と幸せに生きるため、母は決断する。
都会の人の目を離れて、厳しくも豊かな自然に囲まれた田舎町に移り住むことを。



最初、僕は狼人間である父親探しの話かと思って観にいったら本編の内容は違いました。映画冒頭 子供(雪)のナレーションで両親の恋愛、妊娠、父親の死が語られる。人物のアップより、ヒキ気味の画が多く、実写的な演出。語り口は、非常に上手く、奨学金で大学まで通うガンバリ屋の花が、おおかみおとこに恋をしていく姿を小気味いいカットで見せていく。食事やバイト、妊娠中の日常描写も丁寧に繋いでいて、背景で処理されるようなモブシーンなどもしっかり動いているし、仕事が細かい。付き合いが始まるきっかけが、あとから考えると花の逆ナンパ・・・。ww

2人目の子供が生まれるとすぐに父親が突然他界するシーンはセリフがなく、詳しい理由までは語られない。狼の身体の上に鳥の羽がついていたことから、家族のために狩りをしていて、誤って死んだと想像させるのが、せつない。都会での3人の暮らしは大変で、子供たち(雪、雨)が夜泣きではなく遠吠えして犬を飼っていると間違ったり、嘔吐して小児科か動物病院かで右往左往するシーンなど、狼の子供を育てる難しさを逆手に取ったコミカルな子育て演出は冴え、都会から逃げるように、田舎生活に移るまでが秀逸。

オンボロ家屋での田舎描写は、ジブリ作品となりのトトロを想起させるような内容。夏描写でインサートされる空気さえ感じさせる背景美術が美しく、そして素晴らしい。

最初はすぐに逃げ出すと考え、遠巻きに見ていた村人が、田舎暮らし(家屋を修理し、畑を耕し野菜作りに励む)に前向きに取り組んでいく花の頑張りに、手を貸し、3人の暮らしを支えていく一連のシークエンスは田舎に暮らす者として共感できるし、花の姿が父親を亡くした自分の母親とダブったりしてセンチになった。

中盤から後半は子供たちが成長していく姿に感動する。雪は小学生となり人間生活へ溶け込むように努力していく一方、雨は人間生活になじめずオオカミとして野生生活へと足を踏み出していく。エジソンは学校行ってなくても偉人になったというエピソードとか、いいなぁ・・・と思いました。最後の雪が自分の正体を好きな男の子に告白するシーンと夢で出会う花とおおかみおとこの再会シーンは涙。隣の女性客とか後半ぼろぼろ泣きまくっていて鼻水すする音がうるさくて、そっちが気になってしまいました、僕は。

ふたりが人間界と自然界に分かれていく姿は、哀しいけれど希望がもてる清々しいラストシーンで良かった。細かく言うと、色々あると思います。あの問題のHシーンが人間と狼なので獣姦とか、10歳で息子が突然いなくなって村は大騒ぎにならないのかとか、引っ越しのアルバイトだけの賃金切り崩しで生活費賄えるのか、とか。でも、そんなの関係ねーですから、この映画。観て、考えてみてください。生きていくことの素晴らしさや家族の愛を感じられる映画です。


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