映画『エリジウム』 新作映画批評 ネタバレあり カバになった貧乏人

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Elysium Movie Review

アクションもこなせるし、繊細な演技を求められる作品でも確かな演技力でキャリアを積み重ねてきたマット・デイモン主演、宇宙人が地球に移住してくる奇想天外な映画『第9地区』のニール・ブロムカンプ監督作。前作『第9地区』は数年前に台湾に向かう機内シアターで観賞したのだが、今作はきちんと劇場観賞。

21時過ぎの回であり、地方の映画館では小さなスクリーンに追いやられていたので、見る前からブルーな気持ちになった。しかし、画面の作りこみがハンパなく、SFガジェット満載で、どんどんテンションが上がる面白映画でした。テーマも地球に住まう貧乏人とスペースコロニーで暮らす富裕層との貧富による格差を扱っており今日的。ジョディ・フォスターが老けたなぁ・・・というショッキングなおまけとアメリカのTVドラマシリーズ『プリズン・ブレイク』のアレクサンダー・マホーン役のウィリアム・フィクナーが出ていて吃驚した。



あらすじ(ウィキペディアより)

2154年、大気汚染や人口爆発によって地球上の生活環境は悪化している。少数の富裕層は衛星軌道上に建造されたスタンフォード・トーラス型の宇宙コロニー「エリジウム」へ移住。高度な科学技術により老いや病から解放され、水と緑にあふれた理想郷で暮らしている。

一方、荒廃しスラム化した地上では、大勢の人々が貧困に喘いでいる。市民はエリジウムの生活に憧れ、密航を企てる者もいるが、デラコート防衛長官(ジョディ・フォスター)は反移民法を敷き、アーマダイン社製ロボットや傭兵を配して侵入者の排除に努めている。

そんな中、ロサンゼルスに暮らす工場労働者のマックス(マット・デイモン)は作業中の事故により余命5日と診断される。マックスはエリジウムの先端医療に希望を求め、闇商人スパイダーとの取引に応じてコロニーへ向かうが、謀略に巻き込まれる中で不平等なこの世を正すために立ち上がる。

冒頭数分の巧妙な語り口で、未来の格差社会を説明。特権階級が宇宙(そら)で、病気すら瞬時に治せる優雅な暮らしを送り、地球に残った人たちは貧しい生活を余儀なくされている設定を対比させる形で描くので、非常にわかりやすい。ガンダムみたいに数100其ものスペースコロニーが浮かんでいる訳ではなく、映画で描くのは宇宙に浮かんで地球から肉眼でみえる大きさの1其のみ。

マット・ディモンは主人公マックス役。幼少期は孤児院で過ごし、成長すると窃盗ギャングになり、今はスターウォーズに出てきたドロイド(簡単に言うと人型ロボット)などを生産しているアーマダイン社の工場作業員として働く身。

物語は工場内での機械トラブルにより、照射線を致死量レベルで浴び、余命5日と宣告されたマックスの取った行動により大きく動き出す。どんな病気でも発見し治癒することができる医療機械はエリジウムにしか存在せず、リスク覚悟で宇宙に上がることを決意する。弱っていく体力を補うために、強化外骨格を身体に装着。神経接続し骨に器具を埋め込む描写はみていても痛い。ヴィジュアルとしては大リーグボール養成ギブス、ガジェットとして新鮮で面白い。さりげなく第三世代の器具とかいっているのも今風だし。

最後の敵はアーマダイン社のCEOジョン・カーライルを狙った襲撃時に登場するM・クルーガー。前作『第9地区』で宇宙人と同化したシャールト・コプリーが演じている傭兵で、実はアメリカン忍者。手裏剣は投げるし、日本刀を背中に背負ってるは、マックスが幼少期から想いをよせるフレイに言寄るは、作品中でやりたい放題。しかも、格闘になるとめちゃめちゃ強い。最後はターミネーターみたいだった。

マックスがカーライルの頭脳と同期することによって得た『あるプログラム』を巡って物語は意外な結末に向かっていく。

ラストで、フレイと彼女の子供(後期の白血病)のために、ある行為により命を差し出すシーンで交わす会話も粋。台詞の後にカメラが窓の外を映すと地球が映っている描写とか、手に持っているペンダントの写真とか、中盤に恋が再燃する○M+Fの文字だったり、伏線の回収が計算されていて実に巧妙。伏線を張りまくって回収されない作品も多い中、伏線回収はしっかり出来ていた。

デメリットとして、『第9地区』よりスケール感が広がっている割に、数えきれるぐらいの登場人物で語っている点に少し違和感があったり、貧富の差を取り除くあのラストですべてが解決してしまうのはいささか強引な気もする。ただし、前作、今作を通じていえるのは、SF映画として毎度新しいことに挑戦していく姿勢は素晴らしい。2時間視覚で楽しませてくれるので、多少物語が単純でも面白く観れてしまう手腕は高く評価できるのではないか。次作も楽しみな監督の一人であることは間違いない。
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